ごあいさつ
患者さんの思いをかたちに
柏葉脳神経外科病院は、脳卒中ケアユニット(SCU)病床(12床)・一般病床(70床)・地域包括ケア病床(18床)・回復期リハビリテーション病床(44床)を、3つの病棟で運営しています。
医師をはじめとするリハビリテーション科・薬剤科・栄養科・医療ソーシャルワーカー(MSW)など他職種のスタッフと一つのチームとなり、患者さんに最良の医療と看護を提供するよう努めています。発病の時期から回復までの患者さんの心と体を支え、さらに退院後もご自宅でその人らしく生活ができるように、たしかな知識と技術で患者さん一人一人の思いに寄り添った看護を展開します。
看護部長 小林 利絵子
看護部理念
その人らしさの探求
当院に入院する患者さんのほとんどは、突然の発症で手足が動かしにくくなった、飲み込みができなくなったなど様々な症状に直面しています。中には意識障害が出現し、意識がない中で治療を開始せざるを得ない状況の患者さんもいます。脳卒中はそれまで普通に生活していた患者さんにとって生活を一変させる疾患でもあります。
その人らしさの探求とは…
生活と切り離せない疾患であるからこそ、患者さん個々に治療や看護、その後の生活に望むことは違います。それぞれの価値観、人生において大事にしていることなど、患者さんの生活の質に配慮したケアを提供することが私たち看護師に必要とされることです。
望む暮らしの実現に向けて、その人に関心を向け、理解することが看護の第一歩です。
その上で、個人を尊重し倫理観の上に成り立った看護を提供する。そこには、確かな技術と判断力をあわせもち、一人一人が考え行動できる看護専門職であることを大切にしています。当院に来られる患者さん、地域の皆様の信頼にこたえられる看護部であることを目指しています。
診療看護師&認定看護師
患者さんの生活の質に配慮した高品位な看護を提供するために
診療看護師
ナースプラクティショナー
診療看護師
更谷 和樹
私は当院の急性期・ICU病棟で勤務しながら大学院で学習を重ね、NP(ナースプラクティショナー:診療看護師)の資格を取得し、併せて特定行為研修を修了しました。NPとは、看護師の専門性を向上させ、高度な看護実践により、効果的・効率的な看護ケアを行う看護師です。患者さんが安心・安全に日常生活を送ることができるように看護ケアの質や看護師全体の実践力を高めていきたいと考えております。
当院は看護師のキャリアアップに対して支援が充実しています。看護師にはさまざまな資格がありますが、面談時に個人の意思を出来るかぎり尊重してくれ、組織から能力に合わせたキャリアアップの提示もあります。
今回の資格取得はゴールではなく、新たな看護師人生の始まりです。患者さんのニーズ、私個人(看護師)のニーズ、組織のニーズがある中で、双方にとって望ましいあり方を模索して努力していきたいです。
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師
脳卒中リハビリテーション
看護認定看護師
小西 香
当院は脳神経外科の専門病院で、超急性期から自宅に退院するための回復期まで幅広い時期の患者さんへ看護をしています。急性期から自宅退院を見据え、疾患や入院そのものによる合併症を予防しながら患者さんが安心してリハビリをできる環境を整え、再発予防のための生活指導などを行っています。私たち認定看護師は、病棟で一緒に看護実践を行いながら、スタッフ一丸となって患者さんをサポートできるようにするための教育に力を入れています。
認知症看護認定看護師
認知症
看護認定看護師
金澤 一弘
当院の入院患者さんは高齢の方が多く、認知症を抱える患者さんや脳血管障害により認知機能低下がみられる患者さんが多くいらっしゃいます。認知症の方の各病期や個別性に合わせ、認知症の方とその家族の方が望む生活に少しでも近づけるように、多職種と連携しながらケアの実践や安心できる環境調整に励んでいます。また、高齢になると入院による環境の変化などで、せん妄(混乱・錯乱状態)を発症しやすくなります。せん妄を起こさず治療に専念できるよう予防や早期改善のためのケアにも力を入れて取り組んでいます。
その他、認知症でお困りのご家族の方からの相談もお待ちしております。
部署紹介
外来
限られた時間の中でもきめ細やかに対応する
脳神経外科を中心に脳神経内科・循環器内科・リハビリテーション科の外来診療を行っています。
定期受診の患者さん、救急搬送の患者さんの受け入れにも積極的に対応しています。脳卒中は急な発症であり、その後の迅速な対応が求められます。患者さんご本人はもちろん、ご家族の方の不安は大きいものです。患者さんご家族の立場に立った看護援助ができるように取り組んでいます。
これからの外来は、地域包括ケアシステムにおいて、病院と在宅、地域の間に位置する非常に大切な機能の一つに位置づけられています。患者さんが安心して地域で生活が送れるように、医師や他部門と情報共有してお手伝いができるように努めています。
脳卒中ケアユニット(Stroke Care Unit:SCU)[A館3階]
SCU(緊急入院に24時間対応する専門看護を提供)
脳卒中ケアユニット(SCU)は、発症早期の脳血管障害(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の患者さんを集中的に治療する専用病床です。脳神経外科医、看護師、リハビリテーションスタッフなど経験豊富なスタッフが、入院初日から密度の高い治療・看護・リハビリテーションを効果的に提供する体制と設備を整えています。
急性期病棟 [A館3階]
安心して治療、手術が受けられるように多職種でサポートする
急性期病棟は、緊急入院の受け入れをはじめ、脳卒中や脳腫瘍、外傷性疾患の定期入院、周術期の患者さんの治療とケアを担っています。急性期の治療と並行して、発症早期からリハビリテーションを行い、早期の回復を多職種のスタッフで支援します。手術目的の患者さん、ご家族には、安心して手術が受けられるように、一つ一つ丁寧な説明を心がけ、一貫してサポートできるように努めています。
急性期病棟 [A館2階]
「治療の先にある生活を見据え」ケアを提供する
A館2階病棟は、急性発症の脳血管障害、頭部外傷、痙攣発作などの治療とケアを担う病棟です。
緊急入院の受け入れはもちろん、患者さんの多くは重度の意識障害、手足の麻痺や言語の障害を抱えています。症状が不安定な時期でもあるので、細やかな観察はもちろんですが、治療が終了したその先の生活を見据えたケアを提供することを念頭においています。多職種とも協働し、合併症を予防しながら生活の基本となる身体を起こすことに取り組んでいます。少しずつ意識障害が改善し、反応がでてくることを御家族とも共有しながら、生活の質に配慮したケアを提供しています。
回復期リハビリテーション病棟 [B館2階]
最大限の回復を目指して、チーム全体で役割を担う
脳卒中などの脳血管障害で、急性期治療を受けた後なるべく早く在宅復帰できるよう日常生活動作(ADL)の改善を目的としたリハビリテーションを集中的に行います。
当病棟では医師をはじめ看護師・介護福祉士・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士・医療ソーシャルワーカー(MSW)などの専門職がチームとなり、個別プログラム(リハビリ総合実施計画書)を作成し実践しています。職種間の情報を共有しチームアプローチの充実を図り、患者さんの状態や家庭環境に合わせ、問題解決に向けて医療・看護を提供します。カンファレンスを実施し早期の社会復帰を目指していきます。
手術室
安全で質の高い手術室看護を実践
手術室では脳腫瘍摘出術や脳動脈瘤クリッピング術などの開頭術やカテーテルを用いた血管内手術を含め、年間で350件以上の手術を行っています。また、血管造影検査の介助や術前訪問など手術室ならではの看護に力を発揮し、患者さんの不安軽減に努めています。 医師、麻酔科医、看護師、臨床工学技士、検査技師が協力し、安全を最優先とした手術に取り組んでいます。